埼玉県議会議員みやざき ごいち

県政ブログ
2023年12月01日更新

県立高校を現場視察してきました!!

〜はじめに〜

県議会では、県教育委員会を担当しています。
小・中学校の段階で、不登校気味であったり、もって生まれた特性などのいろいろな事情で勉強の基礎の積み重ねができなかったお子さんがいます。
高校の学習についていくのが困難な生徒を支援する学習サポーター配置の県立高校の現場視察にまいりました。
前任期から関心のある事業として、定期的に視察・改善要望を行っています。
令和3年の視察時には、校長先生から4月の入学時点から学習サポーターがすぐに生徒を支援できるようにしてほしいという要請を受けました。県教育委員会に要望、実現されました。
(それまでは入学後6月頃になって、ようやくサポートが開始されている状況でした。)

ブログ現場視察学習サポーター

<授業の様子を拝見して>

一見授業はスムーズに進んでいます。一昔前の荒れた学校というイメージとは、全く違う普通のクラス運営がなされています。
ただ、あるクラスでは、デジタル機器を利用して確かめると半数近くの生徒が理解できていない状況が明らかになりました。
学校によっては、生徒が休みがちであったり、授業中に廊下を歩いていたり、午前中でも寝てしまっていたりなどの様子が見受けられました。
しかし、全体としては問題なく授業が行われていました。

<学習サポーターについて>

ブログ現場視察 休憩室学習サポーターは、数学・国語・英語・情報・保健と学校ごとにさまざまな科目で実施され、授業以外の場面としては、土曜日の勉強マラソンなどでも配置されていました。
学習サポーターは、先生と事前に話し合いをし、先生の説明中には見守りをし、演習のタイミングで個別に指導をしている様子を拝見しました。
学習サポーターになる方は、教員志望の学生が多く、この経験を通して教員になる意思を強くしたという方もいらっしゃいました。
生徒の支援と同時に学校現場の貴重な体験という貴重な機会を提供しているようにもみえました。
他方で、習熟度別・少人数クラスになっているとはいえども、多くの生徒に一人の学習サポーターとなっているのが現状です。
完全にリーチできているのかについては、効果測定をどのようにするかが課題と感じました。
またデジタル機器も利用しながら、より多くの生徒に個別具体的な支援をできるような体制にしていく必要を感じました。
現実的な方向性を考えるために今後も現場の先生・生徒・学習サポーター・県教育委員会と研究していきます。

<基礎学力だけではなく、社会的なケアの必要性も>

高校では、友達・先生とのコミュニケーション力をはじめ、これから社会に出ていくにあたって重要な社会的な考え・ふるまいも身につけなければなりません。
不登校の経験があったり、高校に入って心機一転頑張ろうとする生徒さんに対して、社会的な経験不足をフォローしていくケアの必要性の説明も受けました
高校に入って、頑張って通学してくる生徒たちを、なんとか卒業させてあげたいという高校の先生方の思いと、どこで困難が生じているかが一見しただけでは分からないという現場の大変さを感じました。 そして、退学・転学者の課題も現場で話が出ました。
将来の就職を考えた地域若者サポートステーションと協力して、生徒に寄り添った自立支援事業が一昨年まで行われていました。
現在では、それが終わってしまい、生徒のために復活できないかとの声が寄せられました。
この件については県教育委員会からは、生徒指導の先生を増やしたり、福祉とつなぐスクールソーシャルワーカー・生徒の悩みを聞くスクールカウンセラーの充実で対応しているとの説明がありました、 実際に学校現場に地域若者サポートステーションの専門職員派遣がよかったとの声や、また中退者の予防に一定の効果実績が出てます。
この点を受けて、学習支援に加え、学習以前のケアも大事であることから、手厚い支援のために復活も含めてこれからも話し合っていきます。
最近では、高校卒業資格を合理的に取得できるのではと考え、中退するだけでなく公立・私立通信制高校への転学が増えています。
通信制高校に関する生徒のサポート状況も、実地調査、課題把握に努めてまいります。
ブログ現場視察 学習室

<そのほか>

視察を終えて学校現場を直接拝見して、さらに今後も検討していかなければならない事項として、
〇保護者・関係者との話し合いの場面、給食費・授業未納の場面におけるスクールロイヤーの必要性・積極的な導入の検討。
〇実習の準備が大変になっている家庭科の教員負担の軽減。調理実習のための食材購入・準備に細やかな協力をしてくれた町の商店がなくなっている。
また社会に出たときに必要な家庭での生活体験が薄れている生徒が増えていることから家庭科の授業の重要性が増しているということ。
〇アルバイトをしている生徒が多く、他県の高校では働くことに関して単位認定を行っている実務代替制度を、本県でも導入することができないか。
〇少子化・人手不足を受けての指定校求人の倍率上昇と高校生の就労についての定着率など。
〇外国にルーツのあるの生徒について ○修学旅行を経済的側面で参加できない学生についてどのようにフォローしていくか。中学で不登校気味だった、新型コロナ感染症の影響で修学旅行に行ったことがないという社会経験の欠如への対応。

などの各課題をこれからも県教育委員会と話し合っていきたいと考えています。

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